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【インタビュー】ゲーム作りで心がけていることは?CC2松山氏に聞いてきました!前編

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2009/10/30 

【インタビュー】ゲーム作りで心がけていることは?CC2松山氏に聞いてきました!前編

 先日インタビューの質問を募集しましたが、福岡を拠点とするゲーム開発会社サイバーコネクトツーにインタビューに行って来ました。
 PS3ファンとして気になるPS3の話題はもちろん、松山洋氏の今気になるアニメ、漫画作品!?など、興味深い話題が満載となっていますのでぜひチェックしてみてください。

 前編・後篇でお届けします。

まずはじめに松山さんのゲーム制作における哲学、心がけていることを教えてください。
 - ゲームソフトとは何か。ようするに娯楽だと思います。我々が作るべき娯楽が何かというと、誰かの役に立つモノを作ることだと思っています。エンターテインメント業界はたくさんの作品が生まれて、それで商売がなされていますよね。定義も含めて様々だと思いますが、娯楽というのは人に楽しんでもらってはじめてお金を払ってもらえる価値がある。なので、誰かに喜んでもらえる、役に立つというのが娯楽の定義だと思っています。自分たちが面白いと思っているものだけを詰め込み、あとは煮るなり焼くなりお好きにどうぞでは不十分なのかなと思っています。

 クリエイターさんの中には自分のやりたいことをやること・作りたいモノを作ることが全てだと、それがまずないとモノは作れないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけでは半分の50点ではないかなと思っています。商品としては十分ではないかなと思っています。そういう意味でも、スタッフに常々言っているのが、うちで作るタイトルは、“面白そうで、面白くて、売れるもの”この3つの条件を満たさないとだめだと。面白いものイコール売れるものでは決してないですし、面白いって感じるのはお客様がお金を払ってゲームソフトを遊んだ後なんですね。日本国内のゲームソフトの購買層のおよそ70%がゲームソフトを購入するきっかけとなったものにテレビCMを挙げています。触ってないんですよ、買うお客様のほとんどが。たった15秒のテレビCMに惚れて“面白そう”だと思ってもらってはじめて買ってもらえる。15秒でも伝わる“面白そう”をちゃんと作らないといけないんですね。なので、わかりやすく“面白そう”だなって思ってもらえる商品である。満を持して発売日を迎えて手に取ってくれたお客さんに“面白い”と思ってもらえる。その両方があってはじめて売れる。売れようが売れまいが関係ないというスタンスでモノを作っているとそのタイトルに関わる人を不幸にするからですね。子供達には、いまいちピンと来ないかもしれませんが、ゲームソフトはたくさんの会社とたくさんの人間がかかわって初めて世に生み出されているわけですから、それを売っていただく販売店さんにとっても仕入れてよかったと思える商品にしないといけないですし、それを宣伝にかける、テレビCMにかける、雑誌に掲載する、WEBニュースに取り上げてもらう、記事を書いてもらう、どれをとってもたくさんの人が紹介してよかったと思ってもらえる商品でないといけない。モノが売れないと二度とないですから我々の仕事は。勝ち続けないと次が無いですから。失敗ができない仕事なので、「間違えるな」と、「エゴだけでモノを作っちゃだめだ」と、そういうことを実際にスタッフには言っています。作り手って自分の考えだけで楽しそうに面白おかしく作っているように見えるかもしれませんが、実はそれだけではないのです。

具体的にエゴではない、面白いと思ってもらえる工夫というのはどういうことなんでしょう?
 - それにもいっぱい定義があると思うんですが、私が考える面白いものというのは“something new”であることだと思っています。何かが新しいこと。新しい面白さになっているかどうかがすごく重要だと思っています。具体的に言うと『スーパーマリオ』というゲームがありますが、『スーパーマリオ』のようなモノを誰かが作って販売したとして、それがすごく『スーパーマリオ』みたいなんですよ。でも、『スーパーマリオ』みたいなものとスーパーマリオどっち買います?

『スーパーマリオ』ですね。
 『スーパーマリオ』買いますよね(笑)結局『スーパーマリオ』と何が違うんですか?と口々に皆さん言われると思うんですよ。同じようなものがでると。でも、そこでその商品の名前が出てくる。それがその商品の価値だと思っています。あの当時横スクロールのアクションゲームというのはたくさんあったと思うんですね。ですが、『スーパーマリオ』だけが持っている新しい面白さ、気持ち良さがあって、その結果、市民権を得、一大ブランドに成長したわけですけれども、そういう新しい面白さを提示してあげることがすごく重要だと思っています。
 新しさってすごくバランスが難しいんですが、私が思う新しさには“8:2のバランス”というのがあります。お客さんにとって気持ちの良い商品に仕上げようと思うと10割新しいと意味がわからないになってしまうんですよ。誰も共感できないんですね。新しすぎて。なので、8割は想像通り、けど2割で想像を超える。ようするに、“予想と期待のバランス”という言い方をよくしているんですが、8割の予想には答える。「このあと絶対こうなるよ!ほらね、ほらこうなった!」というのは、お客様にとっては気持ちいいんですよ。でも予定調和が過ぎると退屈になっちゃうんですよ。「つまらない、刺激が無いになってしまうんですが、「ほらね、こうなった!」というのが8割あって、残りの2割で「ちょっと待って!どうすんの、どうすんの?まじで!?」てなると、その刺激というのがすごい気持ち良さを生みだすんですよ。新しいアクションRPGです、って言いつつも8割は共感ができないと誰も理解してくれないと思うんですね。なので、そのバランス感覚はちゃんと持たなくてはならないと思っています。
 なので、うちで言っているのは、「誰にも似ていない商品というのをちゃんと作りなさいと。何々のようなモノってあるじゃないですか?お客様にその何々って言ってもらえる商品を作れなきゃだめだと。『.hack』のようなもの、って『.hack』って独特じゃないですか?そう言われる商品じゃないとやっぱり駄目だと思うんですね。そうしないとお客さんにも届かない。うちにもたとえば『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズというキャラクターゲームがありますが、キャラクターゲームってひとくくりにするとたくさんありますよね。でもたくさんあるキャラクターゲームのなかでもうちの『ナルティメット』シリーズだけは違うって言ってもらえるように、“ほかに二つとない、ほかのキャラクターゲームと同じ文法で作らない”、そういう考え方でモノを作っているので、そこがこだわりです。あと、ダサいのは駄目ですね。
 必ず演出含めてイケているものを作ろうと思っています。イケているものというのは、絵のデザインセンス一個とか、インターフェイスのデザイン一個とか、モーション一個とっても格好良いもの。イケてるって定義が広いですが、新しい新しくないっていうのは関係ないんですよ。格好良いものは格好良いんですよ。奇麗なものは奇麗なんですよ。イケてるものはイケてるんですよ。なので、そこにもこだわりを持っています。だからダサい!って思うようなものはつくりません。
 あと、映像演出にはずっとこだわりを持っています。必殺技とかイベントシーンのかっちょ良さ。お客さまにしてみると、ゲームをずっと遊んでボスを倒した後にちょっとドラマがあると、ご褒美以外のなにものでもないんですよ。やっと倒したボスの後にドラマの展開が待っていると、ふぅーっと指を振りながら実際にそれを見た時に無条件で超絶格好良い映像であってほしいわけですね。せっかく成し遂げてもらったわけですから、そこには必要以上にこたえたいという気持ちがあるので、映像演出にはとことんこだわりますね。ほとんどのゲームにおいてそうですが、基本的に見ているだけというのが多いじゃないですか?そのバランスも難しくて、映像を見たくてゲームを買ったわけじゃないんで、ゲームのシステム中のルールで遊んで成し遂げた結果得られる、あくまでもご褒美なんですね。自分がゲームをプレイした結果得られる一番気持ちの良い瞬間には、また特別気持ちが入っているので、それに答える映像演出は無条件で超絶イケてる映像であるべきだとこだわりをもっています。なので、『ナルティメット』シリーズも『.hack』シリーズもそうですが、映像演出にはこだわっていますし、そこは今後も変わらない方針だと思いますね。あと設定や世界観もダサいのはうちでは駄目です。

なかには映像だけに力を入れてしまっているゲームというのもあると思うんですが、松山さんはそういうゲームについてはどのようにお考えですか?
 - 完全にバランスを間違えてしまっているんだと思いますね。自分たちが消費者だとして奇麗な映像が見たいだけなら映画館に行けばいいと思うんですよ。DVDやBlu-ray Discで好きな作品を見ればいいと思うんですね。ゲームにしか体験できないことというのは映像をただ見るだけじゃなくて、映像にたどり着くまでの道というのを自分のドラマとして作っていけるところ。途中で薬草をかじりながら中ボスと戦って、お姫様とのロマンスがあったりなかったりを経てようやくボスに勝つわけですから。ただ映像だけを見るのと、実際にプレイしたお客様の感動というのは全然違うと思いますよ。

話に脈絡が無くて大変恐縮ですが、ゲーム業界に入ったきっかけを教えてください。
 - もともとは、大学の時同級生から、ゲーム会社を興す相談を持ちかけられたのがきっかけです。その同級生は大学を卒業後、東京のゲーム会社に就職をし、私は福岡でコンクリート二次製品の会社につとめていました。お互いの業界についていろいろな話・相談をしているなかで、就職して3年くらい経った時、この起業の話を持ちかけられました。私は、いつかエンターテインメント業界に行くと心に決めていましたから、決心を固めて、その同級生と会社を興したのです。私もその同級生も福岡出身ということもありますが、会社を作る時にいろいろ調べ、クリエイターにとって福岡が有利な環境だと確信したから福岡に会社を作りました。

なぜ有利なんでしょう?
 パブリッシャーなら別ですけど、デベロッパーを作ろうとしていたので。開発会社にとって一番大切なのは環境なんですよ。開発スタッフって何するかって言うと1年中ゲームを作っているんですね。そうなると、一日24時間というのはだれにとっても同じなのでその時間の使い方、環境の良し悪しがゲームのクオリティを決めるのは間違いないと思っています。私は会社まで通勤時間5分なんですよ、歩いて。東京のゲームクリエイターの皆さんが通勤にどれくらい時間をかけているかはわかりませんが、往復2時間とか3時間かかるところを、うちのスタッフは往復10分くらいしかかかりません。その間好きなアニメ見れるし、寝れるし、仕事できるし。時間の活用の仕方、体力の使い方が違います。東京都内だと特にそうですけど、通勤だけで体力使うじゃないですか?そのうえ家賃・物価が高いって良いこと何もないでしょ?今の時代だと道具さえあればどこでもできるんですよ。たしかに打ち合わせは東京ですることが多いですけど、打ち合わせは誰か1人が行ってくればいいだけですから。なので、福岡で始めたほうが絶対良いものが作れるという根拠があったから福岡に作りました。福岡は適度に都会で適度に田舎だから、オンとオフを切り替えやすい。非常に良い環境です。一応会社興すときに調べたら、ほとんどのゲーム会社は東京にあったんですよ。これはなんか秘密があるなって、でも秘密が無かったんですよ(笑)

正直なところ調べても何のことか分らなかったんですけれども、サイトで募集した質問の中にピースするときになぜピースが折れ曲がってるんでしょうか?という質問があったのですがこれについて教えてください。
 - ファンの方から頂いた質問でしょうね。よくイベントとかステージに上がる時に、サイバーコネクトツーってピースをするんですけど。サイバーコネクトツーのピースはただのピースではなくて前のめりですよって言う意味でなんとなくこうしてたんですけど。そうしたほうが特徴が出るかなって。元ネタは『究極超人あ〜る』です!ゆうきまさみ先生の。

 後編に続きます。

 【インタビュー】PS3での開発は?CC2松山氏に聞いてきました!後編

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