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【インタビュー】PS3での開発は?CC2松山氏に聞いてきました!後編

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2009/10/31 

【インタビュー】PS3での開発は?CC2松山氏に聞いてきました!後編


噂のライブラリ。

 先日インタビューの質問を募集しましたが、福岡を拠点とするゲーム開発会社サイバーコネクトツーにインタビューに行って来ました。後編。

 前編はこちらから。

ところで、海外を意識してゲームを作っているという話をよく聞きますが、松山さんは海外を意識して作っている部分はあるのでしょうか?
 - 今の市場が、世界市場になっているのは事実です。アメリカとヨーロッパ、特にヨーロッパは年々市場を拡大し続けています。ゲームソフト自体数が減ってないのでお客様はゲームソフトを選ぶようになっていき、ソフトは選ばれるようになっています。そうなると志の低いもの、よこしまな気持ちで作られたようなものは、絶対に勝負できないですし、議論に議論を重ねて考えに考え抜かれて作られたものが勝ち残るのだと思っています。楽しさ面白さには垣根がないですから、とくにうちは世界市場というものをずいぶん前から意識しています。常に考えておかなくてはならないことですが、世界市場を意識しているといっても間違えちゃいけないのが、欧米人のモノの作り方を後追いしているようでは勝てないと思っています。生き物が違うわけですから。なので、お客様は世界。作るものは我々日本人にしか作れない強みをいかす。そういう面白さ。それが日本人にしか理解できない面白さかというとそうではないと思います。イケてるものはアメリカ人が見てもイケてるんですよ。うちの『NARUTO -ナルト- ナルティメットストーム』を見てもらって「オーマイゴッド!」って言ってもらえるわけですよ。そういう普遍的な、言葉の壁を越えた「スゲー、おもしれーというものを作るべきだと思っています。ただそういう気持ちがある一方で、なんだかんだ言って結局我々日本人なんですよ。日本で生まれて日本で育っていますので、誰に一番喜んでほしいかというと日本人に一番喜んでほしいです。

PS3やXbox360になって開発期間もお金もかかるようになったと言われています。またPS3での開発が難しいと言われていますが実際のところどうなんでしょうか?
 - 我々はすごくポジティブなので、“開発期間がかかる、お金がかかる、人手がいっぱいいる”ってことは、スゲーものが作れるってことでしょ?それはすごい良いことじゃないですか?スゲーものが作れるってことはスゲービジネスになるわけですから、今までとはケタ違いの上等な作品が作れるという最高の状況ですよね。ただ、その分ビジネスが大きくなるとリスクも大きくなるので、今まで以上に考えなくてはいけないことや注意しなくてはいけないことが増えます。やらなくてはいけないことが増えて大変ですけど、その大変さよりもスゲーものが作れることのほうが嬉しくてたまらないですよね。クリエイターにとってつらいことは表現出来ないことですから。出来るんだったらそんなハッピーなことはないですよ。

では、難しいと言われていますが、難しくても出来るんだったら別にそれは良いじゃないかと?
 - 難しいのは当たり前ですからね。じゃあ今までPS2のときに難しくなかったかというと難しかったですよ。PS2はPS2で、PS1はPS1で。我々も日々どんなハードであれ、ハードの進化、テクノロジーの進化とともに勉強して技術を身につけ続けて一緒に成長してきていますから。そこは一生涯変わらないと思いますよ。

PS3とXbox360のマルチプラットフォームタイトルが最近は多いですが、そこにお金や時間をかけるのであれば片方のプラットフォームだけで出したほうが良いんじゃないか?と思うこともあるのですが。
 - いわゆるExclusiveタイトルにしたほうがいいんじゃないかってことですね?やはりPS3とXbox360では、ハードの特性、作り方の特性がそれぞれ違います。Xbox360は、一般的には作り易いって言われていますが、やはりPS3にもPS3でしかできない事があります。『NARUTO -ナルト- ナルティメットストーム』がPS3オンリーだったのは、やりたい表現、使いたい技術がハード特性にマッチしていたからです。片方のハードに限界まで最適化してとことん突き抜けるスタイルで勝負するのも、マルチプラットフォーム展開で、PS3とXbox360両方のより多くのお客様に楽しんで頂くというスタイルも、どちらも戦略として非常に理に適っていると思っています。

Project Natalだとかモーションコントローラだとか、体感ゲームが流れとして発表されましたが、そのあたりはどのようにお考えですか?
 - 非常に興味はありますよ。自分たちがやりたい、子供たちに喜んでほしいと思う面白さにその技術が必要ならその技術も採用すると思います。我々はいつも自分たちの作りたいものがまずあって、それにその技術が必要ならば取り入れるといったスタイルでモノを作っていますから。ただ、直感的に触れる、動かせるというのはやはり素晴らしい技術だと思っています。iPhoneだとセカイカメラとか、そういう技術には常にアンテナを張っていますし、取り入れることができればきっと新しいものができるとわくわくはしていますね。

ちなみに現状のゲーム業界についてはどのようにお考えですか?
 - 幅を広げようしていることは素晴らしいことだと思いますよ。任天堂様のすごいところは、そうやって幅を広げられたことだと思います。60フレームの戦いを誰もが出来ないということは分かっていることですから、技術のことなんかわからないし、マニアックでない直感的にお年寄りでも触れるっていう、そういうふうにお客様の幅やゲームの幅を増やされたのは素晴らしいことだと思います。マイクロソフト様やSCE様が、それぞれがそれぞれの技術でゲームエンターテインメントというものの入口を広げようとしている。ただ、それがすべてではなくその中でもマニアックなゲームはあると思いますし、全てが全てモーションコントローラやそういった誰でも触れる技術を使った商品というわけではない。結局今も『ストリートファイターIV』は出ていますし、スティックコントローラも売れているわけじゃないですか。ゲームソフトはどこにもいかないし、そこは変わらないと思います。入口が広がっただけの話なので。

今後の方向性として、先日の説明会でもPS3とかそういった話題もあったと思うのですが、今後サイバーコネクトツーが作るゲームには、PS3ソフトも予定されているのでしょうか?
 - 次世代ゲームは作っていきますよ。

それはXbox360も含めてですか?
 - 次世代ゲームですからね。360はやらないと言っているわけではないですし、PS3しかやらないと言っているわけでもないです。タイトルによってケースバイケースですね。我々にとって一番重要なのはソフトです。自分たちが作ろうと思っているソフトがあって、それをやるのに360でやったほうが表現しやすいとか面白いと思ったなら360でやりますし、Wiiでやるべきと思ったらWiiでやります。なので何かに線を引いているわけでは決してないです。

松山さんが今までプレイしたゲームと作った中で一番印象に残っているのは何でしょうか?
 - まず自社のタイトルですけど、一個一個そうなので一個一個話すときりがないですが、第一作の『テイルコンチェルト』。これは記念すべきうちの処女作であり自分自身クリエイターとして初めて作ったタイトルなので一番思い出に残っていますね。そのあとは一個一個がそうですね。
 今まで遊んだゲームの中でというとそれこそきりがないのですが、子供の時に初めて家にファミコンが来て遊んだゲームがスーパーじゃない方の『マリオブラザーズ』。あれが最初に親に買ってもらったゲームソフトで、あれしかなかったので延々と兄弟であれをプレイしましたね。そのあとたくさんのゲームソフトをやりましたが、最初にやったタイトルというのは強く覚えていますね。
 最近遊んだタイトルで言うと、はっきりしているのは『428 〜封鎖された渋谷で〜』(以下『428』)。あともう一個は『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』(以下『金八』)どちらも制作がチュンソフト様。どちらもディレクターがイシイジロウ様。好きなんです。彼の作品が。というのも、ゲームってほかのエンターテインメントにない没入感というのを持っていると思います。まるでその世界の住人になりきったつもりで遊べる。何でもそうだと思いますけどシューティングゲームであろうとサッカーゲームだろうと、みんななりきると思うんですね。そうなると没入感が特に今のゲームの表現ってとても高いと思うんですね。それだけ没入感があるにもかかわらず私自身ゲームで遊んで泣いたことはなかったんですよ。映画を見て泣いたこともあるし、漫画を読んで泣いたこともあるんですが、ゲームを遊んで泣いたことはなかったんですよ。感動することはあるし、おぉーって思うこともあります。けど、泣いたことは一度もなかったんですね。過去に私自身がプレイをして泣いた経験があるというのがこの2作です。
 今から数年前に『金八』を遊んで生まれて初めてゲームソフトで涙を流したんですよ。本当に感動して、感銘を受けて、これを作った人間、彼の作った次のゲームは無条件で遊ぼうって決めていたんですよ。そこまで『金八』に惚れて。それから4年でなかったんですけど。ようやく出たのが『428』だったんですよ!待たせやがって!と。で『428』やるとすごい面白かったですし、最後ちゃんと涙を流せましたね。一個、残念なのははっきり言いますけど、全然売れてないんですよ。これイシイさんにも言っています。実際評価されていて、遊んだ人間は間違いなく面白いって。けどお客様が増えない。それが残念です。もともとがテキストアドベンチャーなので、先入観のほうが大きいと思うんですよ。今ゲームソフトって高いじゃないですか?高いお金払って世界一のクオリティのCGを見たいとか世界一のテクノロジーを使って構成されているゲームソフトを遊ぶというのが費用対効果として高いのかもしれないですけど。テキストアドベンチャーだと、どんだけのものを返してくれるのか想像がつかないんだと思うんですよね。その辺のどのゲームソフトよりもたくさんのモノを与えてくれるソフトだと思いますよ。この2タイトルは。なのでもっともっとたくさんの人に遊んでほしいなと思います。

ゲーム問わず影響を受けてきた作品はありますか?
 - 影響を受けて来た作品と言い出すと、たくさんありますんで。いろんなものが血や肉になっています。なかでも荒木飛呂彦先生は子供の頃から好きです。『ジョジョの奇妙な冒険』は言わずもがな、『ゴージャス☆アイリン』も『バオー来訪者』も『魔少年ビーティー』も『バージニアによろしく』も全部好きですね。あと藤田和日郎先生も好きですね。今だと『月光条例』を描かれていますけど、『うしおととら』、『からくりサーカス』の藤田和日郎先生ですね。一方的に惚れ込んでいますね。大好きです。

ちなみに今一押しの作品はありますか?
 - アニメは皆さん見られていたと思いますけど『化物語』は良かったですね。西尾維新さんが原作ですが。西尾維新さんの作品が大好きで原作は全部読んでいます。漫画だと、少年サンデーでやっている『月光条例』は楽しみに読んでいますね。あと、大暮維人先生、『天上天下』の。ここ最近面白いのは『魔法先生ネギま』(以下、『ネギま』)ですね。ようやく物語の核心に迫ってきて、すごく面白いです。今の『ネギま』は。ああいうのも読むんですよ(笑)

最後に今後の予定を教えてください。
 - 近々は、PSPの2作。今年『NARUTO -ナルト-』(以下『NARUTO』)は連載10周年ということで。ちなみに今一番連載作品で好きなのは『NARUTO』ですからね。よく皆さん勘違いされるので言っておきますけど、今世界でいちばん『NARUTO』が面白いと思っているので『NARUTO』のゲームを作っています。そこは間違いないです。少年ジャンプで一番面白いのは『NARUTO』です。それはこの10年変わってないです。心底面白いです。なので、12月10日発売予定の『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットアクセル3』の制作を頑張っていきたいと思います。
 もうひとつはうちでつくってきたオリジナルシリーズですけれども、決着を迎えます。完結作、最終章の『.hack//Link』。来年1年間サードシーズンとして展開されますが、順次プロジェクトが発表されますので、プロジェクト展開を楽しみに待ちつつ、ゲームを楽しみに待ってほしいなと思います。そこから先に関してはまだ言えないですね。でもこれまで以上にファンの方々、たくさんの方に人種を越えて、こういうコンテンツを楽しめる方々みんなに注目して驚いてもらえる内容、作品となっています。そしてうちのゲームソフトでないとできない体験を間違いなくお約束して商品を作っていきたいと思っています。楽しみにしてください。

 大変お忙しい中ありがとうございました。

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